認 知 症

資料・文献をまとめて編集しております。改修内容は必ずケアマネージャーや理学療法士と相談の上、決定して下さい。


アルツハイマー症候群 (60%)


●60代から発症し、女性に多い ※40代~50代は若年性

 

 

《初期》

 

・直前の事を忘れる

 

・何度も同じことを言う

 

・物とられ妄想

 

・趣味、日課への無関心

 

 

《中期》

 

・徘徊、妄想が増える

 

・失行(衣服の着脱やトイレのしかたがわからなくなる)

 

・見当識障害(昼夜、日時、季節の取り違え)

 

・実行機能障害(手順や計画が必要な行動が難しい)

 

・日常生活に介助が必要になる

 

・不潔行為

 

・暴言などの2次的な症状につながりやすくなる時期

 

 

《後期》

 

・家族の顔がわからなくなる

 

・表情が乏しくなる

 

・会話ができない

 

・尿、便の失禁が常態化

 

・寝たきりになる

 

 

●5~10年でこのような経過をたどるといわれているが、個人差が大きいため一概に言えない


レビー小体型認知症 (30%)


●75~80歳の男性に多くみられる

 

 

《初期》

 

・物忘れがひどくなる(朝、夕で認知機能が大きく変動する)

 

・筋肉が硬くなる、手指が細かく震える、姿勢が傾く(パーキンソン病に似た症状)

 

・レム睡眠障害(寝言、大声、暴れる)

 

幻視が特徴的

 

・猫背

 

 

《中期》

 

・パーキンソン病の症状が強くなり、歩行が困難になる

 

・認知機能、幻視も悪化する

 

 

《後期》

 

・車椅子の利用が余儀なくされる

 

・寝たきりになる

 

・ほぼ全般にわたって日常介護が必要になる

 

・嚥下障害からの肺炎を繰り返す

 

 

●全経過は10年未満といわれている(アルツハイマー、血管性認知症より早い)



前頭側頭型認知症


●40~50代で発症し、男女差はない

 

●徐々に進行し寝たきり状態になる

 

●感情が鈍くなる

 

●何を聞いても同じ答えを繰り返す

 

●人格が変わってしまったような行動を繰り返す

 

●暴力・万引き・収集・徘徊・性的逸脱行為などが目立ってくる

 

 

《初期》

 

・平気で嘘をつく

 

・身だしなみに気を使わなくなる。ゴミ屋敷になる

 

・万引き行為

 

・不愛想、無表情、怒りっぽい、面白い場面でないのに笑う

 

・他人に気を配れない、横暴な態度になる

 

・1日に何回も同じ道を早足で歩きまわる、迷子にはならない

 

・決まった時間に決まった行動をする

 

・甘いものを食べ続ける常同的食行動

 

・他人の物を勝手に盗って食べる、口いっぱいに食べ物を詰め込む

 

 

《中期》

 

・相手が言ったことをオウム返しする

 

 

《後期》

 

・食欲低下による体重減少

 

・関節のこわばりから運動機能の低下

 

・不潔、精神の荒廃

 

・寝たきりになる(発症後6~8年)


血管性認知症


●脳梗塞や脳出血が原因で発症

 

●大きな脳梗塞ではなく、無症候性虚血が多く10年経過後に高い確率で認知症になることが多い

 

●脳が傷ついた場所にある能力以外は比較的正常

 

●記憶障害は少ない

 

●幻覚、妄想、易怒性、夜間頻尿、失禁、嚥下障害があらわれやすい

 

●感情失禁(感情がコントロールできないので場違いで笑ったり泣いたりする)

 

●麻痺障害(片麻痺、嚥下障害、言葉が正しく言えない構音障害)

 

●実行機能障害(段取りを考えて料理ができないなど、計画を立てて実行できない)

 

●注意障害(対象に適切に注意を向けれないので間違いが増える)

 

●自発性や意欲の低下から、閉じこもりがちになる



改修ポイント


●基本仕様は通常のバリアフリーリフォームと同じ

 

●安全性の確保

 

●できる限り自立した生活が送れるような配慮

 

●介助者の負担軽減

 

⇒失禁や不潔行為に対するメンテナンスのしやすさなど


留意事項


●一人ひとりに応じて提案内容は変わる。

 

⇒一般的に正しい方法が、適切でないこともある。

 

●体で覚えている環境は認知症が進んでも生活しやすい環境である。逆に認知症が進んだ状態での住宅改修はその環境に馴染めない可能性がある。

 

●服薬

 

・アリセプトのみ

 ⇒まだ話の内容を理解できる状態。改修の変化に対応できる。

 

・メマリー

 ⇒周辺症状が出てきている。この状態になって相談にくることが大半。

 

●入院中に改修をすると、退院後に自宅と判断できない可能性がある。

 

⇒暮らしながら(理解しながら)改修をおこなうことを基本とする。

 

●工事をしていることを本人が認識しているほど、改修後に改修箇所を使いこなせることが多い。

 

●家族が介護で手一杯で改修を考えられる状況にない時は、最小限の改修にとどめる。

 

●ADL(日常生活動作)の変化に関わるトイレや浴室は、早い段階での改修が望ましい。寝室近くのトイレ、汚物流しも検討する。

 

●変化への適応が難しいと思われる場合は、改修を断念する。