認知症の家族と暮らすためのリフォーム

家族が認知症になった時、困るのはどのようなことでしょうか?

 

例えば、認知症の症状で最も知られているのが記憶障害ですが、記憶障害があるからといってまわりの家族はあまり困りません。

 

・不安定な歩行

 

・火の元

 

・尿失禁・便失禁

 

・徘徊

 

認知症の家族がいらっしゃる場合、主にこれらのことで困るかと思います。

 

今回はそれぞれの住まいの対策についてお伝えします。

 

①不安定な歩行

認知症の影響か、薬の影響か、そもそも高齢だからかはわかりませんが、認知症の方は歩行が不安定な方が多いです。

 

高齢の方の転倒は、骨折や入院などにつながり、さらに状況が悪化してしまいますので転倒防止対策が重要です。

 

・手すりの設置

 

・介護用ルームシューズを履く

 

介護用ルームシューズは滑り止めがあり、つま先がやや上向きの為、小さい段差でもつまづかないように設計されています。

 

滑りやすい床にも有効です。

②火の元

料理中のボヤ騒ぎも有名な話かと思います。

 

万が一、火事にでもなってしまったら命に関わりますので対策は必須です。

 

・IHコンロに交換する

 

100Vのコンセントで使用できる卓上IHコンロも販売されていますので、大がかりな工事は必要ありません。

 

ただし、ボヤ騒ぎを起こした後に交換してもIHコンロを使いこなすのは難しいと思うので、早めに交換して使い慣れておくことが大切です。

③尿失禁、便失禁

リハビリパンツやパットをしていても、尿や便でベッドが汚れることがあります。

 

トイレや室内の床が汚染されることもあります。

 

・ポータブルトイレを設置する

 

ベット横にポータブルトイレがあれば、失禁せずに済むこともあります。

 

戸建てであれば水洗ポータブルトイレも設置できますので介助者の負担を大きく軽減できます。

 ・多目的流しを設置する

 

汚れ物を洗う、ポータブルトイレの洗浄、弄便(便をいじる行為)で汚れた手を洗うなど、通常使う洗面と分けた方が衛星的です。

 

多目的流しはボウルも深く非常に使い勝手が良いです。

 

ただしマンションに設置するのはスペース的に難しいかもしれません。

 ・トイレの床はクッションフロアにする

 

トイレがフローリングのお宅がありますが、そもそもフローリングは水に弱いのでオススメできません。

 

水をはじく定番のクッションフロアが良いです。

 

壁との取り合いを立ち上げると、さらに掃除しやすくなります。

・塩ビ素材の接着剤不要の置くだけフローリングシートを上張りする

 

水をはじく、汚染されても簡単に貼り替えできる、必要なくなれば簡単に撤去できるのでオススメです。

④徘徊

気づいたら家族が家に居ない…。

 

警察に保護されたらまだ良いですが、事故が起こると損害賠償にもつながります。

 

・ノアケル

一般的な玄関ドアをリモコンキーで開閉できるドアへ変更できます。

 

・鍵付きクレセント

窓からの外出を防ぎます。

 

ノアケルと鍵付きクレセントで誤外出は防げます。

 

また、寝室に入られて睡眠を邪魔されてお困りの方は、後付けでドアをロックできる商品もありますので活用下さい。

まとめ

家族が一番困るのは睡眠を妨げられることだと思います。

 

認知症の方の多くは昼夜逆転しているため夜活発になります。

 

早く熟睡して欲しい……と思うはずです。

 

これには住まいの徘徊対策と同時に、日中に体を動かして夜熟睡できる生活習慣へ改善することが重要です。

 

今回の記事を参考にしていただき、介護のストレスが軽減されることを願っております。

 

関連リンク

ブログ作成者

昭和リフォーム代表

新井 太次郎

介護福祉士

 

リフォーム事業を運営する傍ら介護士として介護業界にも従事しています。施設、居宅の両方で勤務経験があり、認知症、身体障がい、自閉症など、様々な方の介護を経験しています。