
トイレでの排泄が難しい障がいをお持ちの方は、ベッド上で側臥位(横向きに寝た状態)の状態で排泄(摘便)をします。
便がなかなか出て来ないので、血圧の関係で終わった後はしんどいようです。
便も腸内に残っていると思います。
体内毒素の70%が便から排出されますので、本来便は出し切らないといけません。
では、便を出し切るにはどうすればいいのでしょうか?
排泄は3つの力で行われています。
①直腸の収縮力
→意識的に動かせない
②腹筋を収縮して腹圧をかける
→意識的に動かせるが、高齢になると筋力が低下し、障がいがあると活用できないこともある。
③重力
→障がい、年齢関係なく活用できる
そして、重力を最大限に生かすのが座位姿勢です。
(参照:ウンコとシッコの介護学/三好春樹)
さらに、足を床につけて前傾姿勢をとることによって腹圧をかけることができ、直腸の角度も排泄に最適な角度になります。
実際、側臥位の状態で出なかった便が、仰臥位の状態で電動ベッドの角度を上げていくと、座位姿勢に近い体勢になり便が出てくることがあります。
まさに重力の力です。
便を出し切るには座位姿勢が欠かせません。
普段当たり前に座って排泄していますが、その姿勢には重要な意味があるのです。
障がいがあっても、排泄はできる限り座位姿勢で行えるように検討する必要があります。
トイレのスペースや距離に不都合がある場合はポータブルトイレを利用します。
戸建ての場合はポータブル水洗トイレも設置できるので介助者の負担も軽減されます。
記事作成者

昭和リフォーム代表
新井 太次郎
介護福祉士/宅地建物取引士
リフォーム事業を運営する傍ら介護士として介護業界にも従事しています。施設、居宅の両方で勤務経験があり、認知症、身体障がい、自閉症など、様々な方の介護を経験しています。
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