
日本のパーキンソン病患者数は約30万人です。
高齢化とともにパーキンソン病患者もこれから増えてくると予想されています。
そこで今回はパーキンソン病患者の住まいと給付金についてご説明します。
上記の図は一般的な高齢者と障害を持っている方の移動形態の変化の違いを示しています。(参照:身体障害学/三好春樹)
通常高齢者は車椅子の全介助になるまでにいくつかの過程を経ます。
片麻痺の方は歩行器をうまく使えないため、杖歩行の後は車椅子を利用します。
パーキンソン病の方は杖や歩行器をうまく使えず、車椅子の自走も困難ですので、独歩の後はすぐに車椅子の全介助となります。
このことからもパーキンソン病の方は初期症状の状況で車椅子全介助を想定した住宅改修が必要だということがわかると思います。
パーキンソン病は転倒リスクが非常に高い病気です。
ですので住宅改修のメインは手すりの設置となります。
居室内の壁沿い全てに手すりを設置した方が良いです。

手すりを設置できない場所がある場合、手すり代わりになる場所まで移動する時、転倒するか、転倒する前に掴めるか、一か八かみたいな動きになります……。
そういった箇所には中継地点に置き型の手すり(ツインディなど)を設置すると良いです。(しっかりした椅子でも代用できます)
住宅改修で床に手すりを固定してしまうと、車椅子介助時期に撤去が必要になり床も補修しなくてはいけません。
床は転倒時の衝撃吸収にジョイントマットを敷くのも良いでしょう。
車椅子介助時期になれば、すぐ撤去できる手軽さも兼ね備えています。
その他、具体的な改修内容は【症状別住宅改修内容】を参照ください。
パーキンソン病の方は杖を上手に使えません。
つまり車椅子になるまでずっと独歩での移動となるので、転倒リスクが高い状況が長い間続きます。
住宅改修は必ずしておいた方が良いでしょう。
記事作成者

昭和リフォーム代表
新井 太次郎
介護福祉士/宅地建物取引士
リフォーム事業を運営する傍ら介護士として介護業界にも従事しています。施設、居宅の両方で勤務経験があり、認知症、身体障がい、自閉症など、様々な方の介護を経験しています。
コメントをお書きください