病院ではなく住みなれた家で最期を迎えたいという方が増えています。
医療費を削減したいという目的もあり、政府は『施設から在宅へ』『病院から自宅へ』と推し進めています。
でも在宅と言われても何を準備しておけばいいかわからないですよね?
今回はそんな在宅介護に必要な住まいの情報をお届けします。
在宅介護とは言っても『寝たきりの状態で全部お任せ』ということではありません。
できることは自分でする。
できないことを家族やヘルパーさんに手伝ってもらう。
定期的にお医者さんに診に来てもらう。
もしくは家族やヘルパーさんの力を借りながら病院へ診察に行く。
寝たきりなどの場合は家族やヘルパーさんが介護をする。
住みなれた家でこのような生活を送るのが、在宅と呼ばれています。
在宅介護が必要になった時、食事・入浴・排泄の自立や上手なケアが介護される方のQOL(生活の質)向上につながります。
これらをできる限り自立してできる住まいに整備することによって、介護する方の負担も軽減します。
これが『在宅介護に備える』ということです。
在宅介護が必要になった時、食事・入浴・排泄の自立や上手なケアが介護される方のQOL(生活の質)向上につながります。
つまりリフォームではトイレと浴室、脱衣所の手すりと介助スペースの確保が重要となります。
特にトイレが狭いと介助が非常に困難になりますので、できる限り介助スペースを確保できる計画をします。
脱衣所も断捨離をして介助スペースを確保しておきましょう。
寝室には介護ベッドを設置する可能性があります。
部屋の広さ、開口部のサイズに気を付けます。
戸建てであれば将来室内にトイレを設置できるような給排水を仕込んでおければベストです。
またリビングに接していれば家族の気配を感じることができるので孤独感を感じにくくなります。
寝室も、脱衣所同様に断捨離をして介助時に備えてすっきりさせておきたいスペースです。
ヒートショックは、高齢者の3大事故《転倒・窒息・ヒートショック》の一つにあげられるくらい身近な事故となっています。
浴室乾燥機は必須です。
ガスと電気タイプがありますが、100V電気式で十分です。
浴室だけでなく脱衣所、トイレにも暖房器具は必要です。
床にコードがあると引っ掛けてしまうので壁掛け式が理想的です。
冬に居室が冷えるお宅はまず内窓を検討してみて下さい。
床暖房も良いですが、費用が高く大がかりな工事が必要となります。
ヒートショック対策は家全体を一定の温度に保てるのが理想的です。
ヒートショック対策には費用をかけない方法もあります。
ワックスは滑りやすいのでNGです。
敷物も端部に引っかかるのでNGです。
絨毯や畳は清潔感を維持しにくいのでNGです。
総合的に考えるとノンワックスフローリングがベストです。
それでも、もし尿失禁や便失禁があった場合に溝に入り込んでしまう可能性があります。
掃除をしても気になるものです。
それを考慮すると、既存フローリングの上に接着剤不要で水もはじく置くだけの塩ビフローリングを敷くのも良いと思います。
汚染されても簡単に貼り替えることができます。
さらに介護用ルームシューズを履いていただければ転倒防止に効果的です。
開き戸は開閉時に無駄な動きが発生して姿勢が安定しないので、引き戸を基本とします。
取っ手をバータイプにすれば握力が弱まっても肘など体を使って扉を開閉することができます。
アウトセットタイプであれば既存の枠を利用できるので費用を抑えて引き戸を設置することができます。
大きな段差で転倒することはありません。
注意が必要なのは小さな段差です。
小さな段差を撤去するために干渉する部分の補修も発生して費用が高額になることがあります。
その場合は段差を撤去せずに、すりつけ板(低段差スロープ)を設置したり、蛍光テープを貼って段差を目立たせるという方法もあります。
今回説明した内容のリフォームをしようとすると大がかりな工事になってしまいます。
ご自宅をフルリフォームされる機会にこれらの事を考慮してリフォームするのが良いと思います。
リフォームをする予定がない方は、まず費用がかからないことからチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
下記のリンクをご参照下さい。
ブログ作成者
昭和リフォーム代表
新井 太次郎
介護福祉士
リフォーム事業を運営する傍ら介護士として介護業界にも従事しています。施設、居宅の両方で勤務経験があり、認知症、身体障がい、自閉症など、様々な方の介護を経験しています。
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